贈与税の税率は何パーセント?税率表・早見表と100万円〜1億円の計算例
「贈与税って、もらったお金の何パーセントを取られるんですか」
贈与税の税率は10%から55%まで、8段階です。1年間にもらった額から基礎控除の110万円を引いた残りが大きいほど、税率が上がっていきます。
もうひとつ大事なのが、誰からもらったか。親や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与は、税率が低めの「特例税率」で計算します。生前贈与を考えているなら、まず自分がどちらの税率になるかを確かめてください。
この記事で分かること
- 贈与税の税率が10%〜55%になる仕組みと、一般税率・特例税率の違い
- 特例税率・一般税率それぞれの速算表と、計算の3ステップ
- 贈与額100万円〜1億円の早見表(税額の一覧)
- 親子・兄弟・両方が混ざる年の計算例
- 暦年課税と相続時精算課税、2026年に使える非課税制度
目次
1. 贈与税の税率は10%〜55%の8段階
1-1. 超過累進税率で段階ごとに上がる仕組み
贈与税の税率は、基礎控除後の金額(課税価格)に応じて段階的に上がります。基礎控除後の金額が200万円以下なら10%、いちばん高い段階では55%。
10%から55%まで段階的に上がるこの仕組みを、超過累進税率といいます。全額に最高税率がかかるわけではなく、段階ごとの部分にそれぞれの税率がかかるんです。
でも、段階ごとに分けて計算するのは、けっこう手間ですよね。そこで使うのが速算表の「控除額」で、1回の掛け算と引き算で済むようになっています。
1-2. 税率は一般税率と特例税率の2種類
贈与税の税率には一般税率と特例税率の2つ。

特例税率になるのは、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子や孫が、父母や祖父母など直系尊属からもらうときです。それ以外、たとえば兄弟間、夫婦間、他人からの贈与、18歳未満の子への贈与は一般税率で計算します。
同じ500万円でも、親から18歳以上の子なら48万5,000円、兄弟間なら53万円。4万5,000円の差がつきます。
1-3. 贈与税を払うのはあげた人ともらった人のどちら?
贈与税を申告して納めるのは、財産をもらった側(受贈者)です。親が子に500万円を贈与したなら、申告するのは子のほう。
申告と納付は、もらった年の翌年2月1日から3月15日までに済ませます。所得税の確定申告とほぼ同じ時期なので、あわせて予定に入れておくと忘れにくいですよ。

相続専門税理士 藤本のチェックポイント
ご相談でよくあるのが「父の再婚相手からもらった」というケースです。養子縁組をしていなければ直系尊属に当たらず、特例税率は使えません。贈与の前に、戸籍で関係を確かめておくと安心です。
2. 贈与税の速算表と計算の3ステップ
2つの速算表は、同じ課税価格でも税率と控除額が違うんです。どちらの表を使うかで税額が変わるので、まず自分が特例と一般のどちらに当たるかを確かめてから表を見てください。
2-1. 特例税率の速算表(親・祖父母から子・孫)
| 課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | 0円 |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
課税価格は、贈与額から基礎控除110万円を引いた金額のこと。
2-2. 一般税率の速算表(兄弟・夫婦・他人など)
| 課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | 0円 |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
見比べると、課税価格600万円なら特例税率は20%で、一般税率は30%。一般税率は3,000万円を超えると55%に達し、特例税率より早く最高税率になります。
2-3. 速算表を使った贈与税の計算3ステップ

1年間にもらった財産の合計から基礎控除110万円を引き、その金額に合う段階の税率を掛けて、最後に控除額を引きます。
贈与税額=(1年間の贈与額-110万円)×税率-控除額

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速算表の「控除額」を引き忘れる方が、実はとても多いんです。控除額は段階ごとの計算をまとめるための調整額なので、申告書を作るときも、最後に必ず差し引きます。
3. 贈与額100万円〜1億円の贈与税早見表
3-1. 金額別の贈与税早見表(特例・一般)
表の金額は、その年の贈与が同じ区分(特例か一般か)だけの場合のものです。
| 贈与額 | 特例税率 | 一般税率 |
|---|---|---|
| 110万円以下 | 0円 | 0円 |
| 200万円 | 9万円 | 9万円 |
| 300万円 | 19万円 | 19万円 |
| 400万円 | 33.5万円 | 33.5万円 |
| 500万円 | 48.5万円 | 53万円 |
| 600万円 | 68万円 | 82万円 |
| 800万円 | 117万円 | 151万円 |
| 1,000万円 | 177万円 | 231万円 |
| 1,500万円 | 366万円 | 450.5万円 |
| 2,000万円 | 585.5万円 | 695万円 |
| 3,000万円 | 1,035.5万円 | 1,195万円 |
| 5,000万円 | 2,049.5万円 | 2,289.5万円 |
| 1億円 | 4,799.5万円 | 5,039.5万円 |
ちなみに400万円までは、特例税率でも一般税率でも税額は同じ。差が出るのは500万円からで、1,000万円なら54万円、3,000万円なら159.5万円の差になります。
3-2. 1億円を贈与すると贈与税はいくら?
1億円を一度にもらうと、親や祖父母からでも贈与税は4,799万5,000円。もらった額のおよそ半分です。
計算は、1億円から110万円を引いた9,890万円に55%を掛け、控除額640万円を引きます。兄弟や他人からなら控除額が400万円になるので、5,039万5,000円です。
これだけの金額になると、一度に渡すより、年を分けたり相続時精算課税を使ったりするほうが、贈与税と相続税を合わせた負担は軽くなることが多いです。
3-3. 贈与税がかかるのは基礎控除を超えてから
贈与税は、1年間にもらった財産の合計が110万円を超えたときにかかります。この110万円が基礎控除で、もらう人1人あたり毎年使えます。
たとえば父から80万円、祖母から50万円をもらった年は、合計130万円。110万円を引いた20万円に10%がかかり、贈与税は2万円になります。
110万円以下なら贈与税はかからず、申告もいりません。
関連記事:相続税の計算方法を5ステップで解説【早見表・シミュレーション付き】
4. 贈与税の計算例3パターン
4-1. 親から子へ500万円(特例税率)
父(55歳)が長男(30歳)に現金500万円を贈与したケース。あげたのは父、もらったのは18歳以上の子なので、特例税率の計算になります。

500万円から110万円を引いた390万円は、特例税率の「400万円以下」の段階です。税率15%を掛けて控除額10万円を引くと、長男が納める贈与税は48万5,000円になります。
4-2. 兄弟間で300万円(一般税率)
計算事例① 兄が弟に現金300万円を贈与したケース
前提
兄弟間の贈与は直系尊属からではないので、一般税率で計算する
計算式
課税価格:300万円-110万円=190万円(200万円以下の段階)
結果
190万円×10%=19万円(控除額はなし)
弟が納める贈与税は19万円
このケースのポイント
200万円以下の段階では、一般税率でも特例税率でも10%で同じになる
4-3. 特例と一般が混ざる年の按分計算
計算事例② 同じ年に母から600万円、叔父から200万円をもらったケース
前提
母からの600万円は特例税率、叔父からの200万円は一般税率の財産
計算式
- 課税価格:(600万円+200万円)-110万円=690万円
- 仮の税額:特例税率なら690万円×30%-90万円=117万円、一般税率なら690万円×40%-125万円=151万円
- 按分:特例分は117万円×600万円÷800万円=87万7,500円、一般分は151万円×200万円÷800万円=37万7,500円
結果
87万7,500円+37万7,500円=125万5,000円
このケースのポイント
課税価格の全額でいったん両方の税額を出し、もらった額の割合で分ける
混ざる年の計算は間違えやすいので、国税庁の確定申告書等作成コーナーで確かめるか、早めにご相談ください。
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5. 贈与税の負担を抑える方法と注意点
5-1. 暦年課税と相続時精算課税の違い
贈与税の計算方法には暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、贈与する人ごとに選べます。ここまでの税率と速算表は、暦年課税の話なんです。

相続時精算課税を選べるのは、あげる父母・祖父母が60歳以上で、もらう子・孫が18歳以上のとき。毎年110万円の基礎控除に加えて、累計2,500万円までの特別控除があり、超えた部分に一律20%がかかります。
相続時精算課税で贈与した財産は、将来の相続税の計算に加えられます。一度選ぶと暦年課税には戻せません。
5-2. 2026年に使える贈与税の非課税制度
基礎控除の110万円とは別に、条件を満たせば贈与税がかからない制度があります。
2026年に使える主な非課税制度
- 住宅取得等資金の贈与:最大1,000万円(省エネ等住宅。それ以外の住宅は500万円)。2026年12月31日までの贈与が対象
- 贈与税の配偶者控除:婚姻20年以上の夫婦で、居住用不動産などの贈与に最大2,000万円
教育資金の一括贈与の非課税は、2026年3月31日で終了しました。それまでに金融機関に拠出した分は、契約の終了まで非課税で引き出せます。
どの制度も要件が細かく決まっていて、住宅資金なら翌年12月31日までに住み始めることも条件のひとつです。
5-3. 一度に贈与するか年を分けて贈与するか
「贈与税は相続税より高い」とよく言われますが、それは一度にまとまった額を渡したときの話なんですね。
1,000万円を一度に贈与すると、特例税率でも177万円かかります。毎年200万円ずつ5年に分ければ、1年9万円で5年合計45万円です。
ただ、亡くなる前の一定期間の贈与は相続税の計算に加えられるルールもあるので、分ける場合も贈与する人の年齢や財産の全体を見て決めてください。

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「今の贈与税が安くなるから」と相続時精算課税を選んで、あとで相続税の負担が重くなったご家庭もあります。目先の贈与税だけでなく、将来の相続まで通して計算してから決めてくださいね。
関連記事:相続時精算課税制度とは?110万円の基礎控除と暦年課税との違いを相続専門税理士が解説
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まとめ
贈与税の税率は10%〜55%の8段階。
親や祖父母から18歳以上の子・孫への贈与は特例税率、それ以外は一般税率で、差が出るのは贈与額500万円からです。計算は(贈与額-110万円)×税率-控除額の1行で済むので、速算表と早見表で目安をつかんでから、相続税の計算も含めて、暦年課税か相続時精算課税か、どの非課税制度を使うかを考えてください。
贈与税と相続税を通して、いちばん負担の軽い渡し方を知りたいときは、お気軽にご相談くださいね。
よくある質問
10%〜55%の8段階です。親や祖父母から18歳以上の子・孫への贈与は特例税率、それ以外は一般税率で計算し、基礎控除後の金額が200万円以下なら10%です。
1年間にもらった財産の合計が110万円を超えたときです。110万円は、もらう人1人あたりの枠です。
親や祖父母から18歳以上の子・孫への贈与なら4,799万5,000円、兄弟や他人からなら5,039万5,000円です。1億円から基礎控除110万円を引いた9,890万円に55%を掛け、控除額を引いて計算します。
親から18歳以上の子への贈与なら177万円、兄弟間や他人からなら231万円です。
財産をもらった人(受贈者)です。贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、もらった人の住所地の税務署へ申告して納めます。