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相続税の基礎控除はいくら?計算式・早見表・法定相続人ごとの控除額を専門税理士が解説

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相続税の基礎控除はいくら?計算式・早見表・法定相続人ごとの控除額を税理士が解説

相続税はいくらから課税されるのでしょうか?

その答えを握るのが「基礎控除」です。

相続税の基礎控除とは、一定の金額までは相続税がかからないしくみのこと。

たとえば法定相続人が3人(配偶者と子ども2人)なら、相続財産が4,800万円以下であれば相続税はかかりません

本記事では、初めての方にも分かりやすく、基礎控除の計算式から家族構成別の早見表、改正内容、よくある誤解まで、広島の相続税専門税理士が詳しく解説します。

  • 相続税はいくらから課税されるのか
  • 基礎控除額の計算式一人当たり600万円の意味
  • 家族構成別の早見表(配偶者+子2人など)
  • 子供はいくらまで無税になるのか
  • 法定相続人の数え方と注意点
  • 平成27年の改正で何が変わったか(5000万円→3000万円)
  • 基礎控除を超えた場合相続税計算方法
  • 生命保険の非課税枠との関係

相続税の知識がない方でも理解できるよう、専門的な内容もできるだけやさしく丁寧に解説しています。

読み終えるころには、相続税の基礎控除に必要な基礎知識がしっかりと身につく内容になっていますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

執筆者
敦子 藤本

相続税専門税理士 / ラクソウ代表

敦子 藤本

中国税理士会 広島西支部所属:登録番号139011。広島県出身。横浜国立大学卒業後、監査法人トーマツ入所。2018年に税理士登録し、相続税の申告を専門に取り扱う税理士事務所を設立。相続税申告、相続対策、コンサルティングなど、資産税業務が得意。

■保有資格
税理士(登録番号:第139011号)
公認会計士(試験合格)

■経歴
広島 ノートルダム清心高等学校 卒業
横浜国立大学 経営学部 卒業
有限責任監査法人トーマツ 入所
藤本敦子税理士事務所 / ラクソウ 設立

■得意分野
・相続税の申告
・生前贈与/遺言書のサポート
・小規模宅地等の特例
・土地評価の最適化
・二次相続/事業承継の税務アドバイス

■執筆への想い
相続は、人生の中でも数少ない、そして非常に重たい出来事のひとつです。 不安や悩みを抱える方に、少しでも安心して一歩を踏み出してもらえるよう、税理士として専門的な視点から、丁寧でわかりやすい情報発信を心がけています。


相続税の基礎控除とは?非課税枠の基本をおさえる

基礎控除額とは「相続税がかからない範囲」のこと

相続税の基礎控除とは、非課税で済む範囲を定めた制度です。

たとえば、相続財産がいくらあっても、この基礎控除額以内であれば相続税はかかりませんし、申告も不要です。

つまり、基礎控除額は「課税対象になるかどうか」を決めるボーダーラインといえます。

なぜ基礎控除があるの?

すべての相続に課税すると国民の負担が大きすぎるため、一定以上の財産を持つ人にのみ課税する考え方が採られています。

この基礎控除によって、日本では約90%以上の相続で相続税が発生しない仕組みになっています。

相続税はいくらから課税される?

結論から言うと、

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

この金額を超えた部分にだけ、相続税が課税されます。

たとえば、

  • 法定相続人が1人なら3,600万円まで非課税
  • 法定相続人が3人なら4,800万円まで非課税
  • 法定相続人が5人なら6,000万円まで非課税

となります。

相続税の基礎控除額の計算式|一人当たり600万円がポイント

計算式はシンプル

相続税の基礎控除は、次の計算式で求めます。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

ポイントは「一人当たり600万円です。

法定相続人が1人増えるごとに、基礎控除額が600万円ずつ増えていきます。

計算例で確認

例1:配偶者と子ども2人の場合(法定相続人3人)

3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円

→ 相続財産が4,800万円以下なら相続税はかかりません

例2:子どものみ4人の場合(法定相続人4人)

3,000万円 + 600万円 × 4人 = 5,400万円

→ 相続財産が5,400万円以下なら相続税はかかりません

このように、家族構成によって基礎控除額が変わるのが特徴です。

法定相続人の数え方に注意

基礎控除額の計算では、「法定相続人の数」の数え方にルールがあります。

  1. 相続放棄した人も含めて数える
    相続放棄をしても、基礎控除の計算では「いないもの」として扱いません
  2. 養子は人数制限がある
    実子がいる場合:養子は1人まで
    実子がいない場合:養子は2人まで
  3. 胎児は生まれたものとして数える
    相続開始時に胎児だった子は、無事に生まれれば法定相続人に含まれます

このような細かなルールを間違えると、申告の判断を誤る原因になります。不安な場合は、税理士に一度確認するのが安心です。

家族構成別|相続税の基礎控除早見表

相続税はいくらまで無税になるのか、家族構成別に一覧で確認しましょう。

基礎控除額早見表(家族構成別)

家族構成法定相続人数基礎控除額課税される目安
配偶者のみ1人3,600万円3,600万円超
配偶者+子1人2人4,200万円4,200万円超
配偶者+子2人3人4,800万円4,800万円超
配偶者+子3人4人5,400万円5,400万円超
配偶者+子4人5人6,000万円6,000万円超
子のみ(1人)1人3,600万円3,600万円超
子のみ(2人)2人4,200万円4,200万円超
子のみ(3人)3人4,800万円4,800万円超

よくあるケース:配偶者と子供2人の場合

最も一般的な家族構成「夫が亡くなり、妻と子ども2人が相続人」のケースでは、

基礎控除額:4,800万円

つまり、相続財産が4,800万円以下であれば、相続税は一切かかりません

相続税はいくらまで無税?子供の人数別

子供はいくらまで無税?」とよく質問されますが、答えは家族構成によって変わります。

  • 配偶者あり・子1人:4,200万円まで無税
  • 配偶者あり・子2人4,800万円まで無税
  • 配偶者あり・子3人:5,400万円まで無税
  • 配偶者なし・子2人のみ:4,200万円まで無税

相続財産に何が含まれる?基礎控除の対象範囲

相続税の課税対象になる財産

基礎控除額と比較するためには、まず「相続財産がいくらあるか」を把握する必要があります。

相続財産に含まれるもの:

  1. 現金・預貯金
    被相続人名義の銀行口座残高
  2. 不動産
    土地、建物(自宅、賃貸物件など)
  3. 有価証券
    株式、投資信託、国債など
  4. 生命保険金・死亡退職金(みなし相続財産)
    ただし非課税枠あり(後述)
  5. その他の財産
    自動車、貴金属、美術品、ゴルフ会員権など

生命保険の非課税枠に注意

生命保険金や死亡退職金には、別途の非課税枠があります。

生命保険の非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

たとえば法定相続人が3人なら、1,500万円までの生命保険金は非課税です。

この非課税枠を差し引いた金額が、相続財産として基礎控除額と比較されます。

【具体例】配偶者+子2人、生命保険2,000万円の場合

生命保険の非課税枠:500万円 × 3人 = 1,500万円
課税対象の保険金:2,000万円 – 1,500万円 = 500万円

この500万円が、他の相続財産と合算されて基礎控除額(4,800万円)と比較されます。

基礎控除額を超えるとどうなる?申告・課税の実務

基礎控除を1円でも超えたら申告が必要

相続財産の合計が基礎控除額を超えると、相続税の申告が必要になります。

基礎控除を少しだけ超えたから大丈夫」と思い込むのは危険です。

申告期限(相続開始から10か月以内)を過ぎると、加算税や延滞税が課されることもあります。

相続税の課税対象になりやすいケース

以下のような方は、基礎控除を超える可能性が高いため注意が必要です:

  • 不動産を所有している
    自宅や土地だけで数千万円の評価額になることも
  • 生命保険金や退職金がある
    非課税枠を超える部分は課税対象
  • 名義預金がある
    親の口座を子名義で管理していた場合など
  • 相続財産が3,000万円以上ある
    法定相続人が1人でも基礎控除を超える可能性

いくらの相続税がかかる?具体例で確認

【例】相続財産5,000万円、配偶者+子2人の場合

相続財産:5,000万円
基礎控除額:4,800万円(3,000万円 + 600万円 × 3人)
課税遺産総額:5,000万円 – 4,800万円 = 200万円

この200万円に対して、相続税率(10%~)が適用されます。

ただし、配偶者には「配偶者控除」という別の制度があり、1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い金額まで相続税がかからないため、実際の税額はさらに軽減されます。

相続税の基礎控除は改正でどう変わった?

平成27年(2015年)の大改正

相続税の基礎控除額は、平成27年(2015年)1月1日の税制改正で大きく引き下げられました

【改正前】
平成26年12月31日まで

5,000万円 + 1,000万円
× 法定相続人の数

【改正後】
平成27年1月1日以降

3,000万円 + 600万円
× 法定相続人の数

つまり、基礎控除額が約6割に縮小されました。

改正の影響:課税対象者が約2倍に

この改正により、相続税の課税対象となる人の数が約2倍に増加しました。

【具体例】配偶者+子2人の場合の比較

項目改正前(~2014年)改正後(2015年~)差額
基礎控除額8,000万円4,800万円-3,200万円

改正前は「8,000万円まで無税」だったものが、改正後は「4,800万円まで無税」となり、3,200万円も控除額が減少しました。

今後も改正の可能性がある

高齢化や資産格差の拡大を背景に、相続税制度は今後も見直される可能性があります。

最新情報を確認し、早めに対策をとることが大切です。

よくある誤解と注意点|相続税申告で失敗しないために

誤解1「基礎控除以下なら何もしなくていい」

基礎控除以下でも、手続きが必要な場合があります。

たとえば:

  • 不動産の名義変更(相続登記)
  • 銀行口座の解約・名義変更
  • 「相続税の申告要否検討表」の提出(税務署から届いた場合)

相続税の申告は不要でも、他の手続きは必須です。

誤解2「相続放棄すれば基礎控除が増える」

相続放棄をしても、基礎控除額の計算には影響しません。

相続税法では、相続放棄をした人も「法定相続人として数える」ルールになっています。

たとえば、法定相続人が3人で1人が相続放棄しても、基礎控除額は4,800万円のままです。

誤解3「名義預金は子どもの財産だから相続財産じゃない」

親の口座を子名義で管理していた「名義預金」は、相続財産に含まれます

税務署は以下の点をチェックします:

  • 誰が入金したか
  • 通帳・印鑑を誰が管理していたか
  • 子どもがその口座の存在を知っていたか

実質的に親の財産とみなされれば、申告漏れで追徴課税されるリスクがあります。

注意点:みなし相続財産も課税対象

以下のような財産も、「みなし相続財産」として課税対象に含まれます:

  • 生命保険の死亡保険金
    非課税枠(500万円×法定相続人数)を超える部分
  • 死亡退職金
    非課税枠(500万円×法定相続人数)を超える部分
  • 名義預金・名義株式
    実質的な所有者が被相続人だった財産

特に、名義預金は申告漏れの原因No.1です。注意しましょう。

法定相続人の数え方|基礎控除計算で間違えやすいポイント

基礎控除額を正しく計算するには、法定相続人を正確に数えることが重要です。

基本の数え方

法定相続人とは、民法で定められた相続する権利を持つ人のこと。

順位:

  1. 配偶者(常に相続人)
  2. 第1順位:子
  3. 第2順位:直系尊属(父母・祖父母)
  4. 第3順位:兄弟姉妹

ケース別の数え方

ケース1:相続放棄があった場合

  • 相続放棄した人も含めて数える
  • 例:配偶者と子2人で、子1人が相続放棄法定相続人は「3人」

ケース2:養子がいる場合

  • 実子がいる:養子1人まで
  • 実子がいない:養子2人まで
  • 例:実子2人+養子2人 → 法定相続人は「実子2人+養子1人=3人」

ケース3:代襲相続の場合

  • 子が先に亡くなっている場合、孫が代襲相続
  • 例:配偶者+子1人(死亡)+孫2人(代襲) → 法定相続人は「配偶者+孫2人=3人」

ケース4:胎児がいる場合

  • 相続開始時に胎児でも、無事に生まれれば法定相続人に含まれる

相続税の計算方法|基礎控除を超えたらいくらかかる?

基礎控除を超えた場合、どのくらいの相続税がかかるのでしょうか?

基本の計算手順

ステップ1:課税遺産総額を計算

課税遺産総額 = 相続財産の総額 – 基礎控除額

ステップ2:法定相続分で按分

各相続人が法定相続分で相続したと仮定して、税額を計算します。

ステップ3:相続税率を適用

相続税率表

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1,700万円
3億円以下45%2,700万円
6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円

計算例

【例】相続財産1億円、配偶者+子2人の場合

課税遺産総額:1億円 – 4,800万円 = 5,200万円

法定相続分で按分:

  • 配偶者:5,200万円 × 1/2 = 2,600万円
  • 子1:5,200万円 × 1/4 = 1,300万円
  • 子2:5,200万円 × 1/4 = 1,300万円

相続税額:

  • 配偶者:2,600万円 × 15% – 50万円 = 340万円
  • 子1:1,300万円 × 15% – 50万円 = 145万円
  • 子2:1,300万円 × 15% – 50万円 = 145万円

相続税の総額:340万円 + 145万円 + 145万円 = 630万円

ただし、配偶者には「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」があるため、実際の納税額はさらに減ります。

まとめ|相続税の基礎控除を正しく理解して、損のない相続を

この記事の重要ポイント

  • 相続税の基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
  • 一人当たり600万円ずつ基礎控除が増える
  • 配偶者+子2人なら4,800万円まで非課税
  • 基礎控除を超えたら10か月以内に申告が必要
  • ✓ 改正により課税対象者が約2倍に増加(2015年~)
  • ✓ 名義預金・生命保険・不動産も相続財産に含まれる

不安な方は専門家に相談を

相続税の基礎控除は計算式自体はシンプルですが、

  • 財産の種類や評価方法
  • 名義預金の判定
  • 生命保険の非課税枠
  • 小規模宅地の特例
  • 配偶者控除

など、実際の申告では複雑な判断が必要になるケースも多くあります。

「自分の場合はいくらまで非課税か」を正しく把握するには、専門家の確認が不可欠です。

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FAQ|相続税の基礎控除でよくある質問

A. 相続税がかからない範囲を定めた制度で、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。この金額以下であれば相続税は課税されず、申告も不要です。

A. 家族構成によって異なります。配偶者と子2人なら4,800万円まで非課税、配偶者と子1人なら4,200万円まで非課税です。基礎控除額を超えた部分にのみ相続税が課税されます。

A. 相続放棄した人も含めて数えます。養子は実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までカウントします。胎児は無事に生まれれば法定相続人に含まれます。

A. 平成27年(2015年)1月1日に大きく改正されました。改正前は「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」でしたが、改正後は「3,000万円+600万円×法定相続人数」となり、約6割に縮小されました。

A. 基礎控除を超えた部分に対して相続税が課され、相続開始から10か月以内に申告が必要です。申告を放置すると延滞税や加算税の対象になることもあります。

A. 家族構成によって異なります。配偶者あり・子2人なら4,800万円まで、配偶者なし・子2人のみなら4,200万円まで無税です。子が1人増えるごとに600万円ずつ基礎控除が増えます。

A. いいえ、相続放棄をしても基礎控除額は変わりません。相続税法では、相続放棄をした人も法定相続人として数えるルールになっています。

A. 生命保険金には別途「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があります。この非課税枠を超えた部分が相続財産として扱われ、基礎控除額と比較されます。

A. はい、自宅や土地だけで数千万円の評価額になることが多く、基礎控除を超える可能性が高まります。不動産を所有している方は早めに税理士に相談することをおすすめします。

A. 基礎控除額4,800万円を超える200万円が課税対象となりますが、配偶者には「配偶者控除」があり、最大1億6,000万円まで相続税がかかりません。実際の税額は配偶者の取得額によって大きく変わるため、詳しくは税理士にご相談ください。

この記事は、広島の相続税専門税理士事務所「ラクソウ」の代表税理士・藤本敦子が監修しています。
相続税申告でお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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