【2025年最新】相続税の申告とは?専門税理士が仕組み・計算・控除・申告方法まで徹底解説
 
					相続税の申告とは?仕組み・控除・計算方法・手続きの流れを税理士がわかりやすく解説
相続税の申告とは、亡くなった方の財産を引き継いだときに行う、税金の手続きのことです。
現金や不動産(土地・建物)、有価証券(株式・投資信託等)などを相続した場合、
ご遺族が受け取る生命保険が一定の金額を超えると、国に対して申告と納税が必要になります。
誰が、いつ、どんな財産に対して税金を払うのかは、条件によって大きく変わります。
本記事では、相続税について正しく理解し、申告の準備や対策を始めたいと考える方に向けて、
基本的なしくみから申告の流れ、控除や特例まで、わかりやすく解説しています。
この記事で分かること
- 相続税のしくみと、税金がかかる条件
- 相続税の対象となる財産と非課税財産の違い
- 基礎控除の計算方法と、課税対象額の考え方
- 相続税 計算手順と税率の仕組み
- 配偶者控除や小規模宅地等の特例などの控除制度
- 相続税申告が必要なケースと申告手続きの流れ
- 税務調査のリスクや、調査が入りやすい事例
- 生前贈与や不動産活用などの節税対策
相続税の知識がない方でも理解できるよう、
専門的な内容もできるだけやさしく丁寧に解説しています。
読み終えるころには、相続税申告に必要な基礎知識と準備の流れがしっかりと身につく内容になっていますので、
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
目次
相続税とは?
相続税は、「人が亡くなったあとに残した財産を家族などが受け取ったときにかかる税金」のことです。
対象になる財産は、以下のようなものです:
- 現金・預金
- 不動産(土地・建物)
- 有価証券(株式・投資信託等)
- 車・貴金属など
ただし、誰にでもかかるわけではありません。
財産が一定の金額以下であれば、相続税はかかりません。
この一定の金額のことを「基礎控除」といいます。
相続税の基本的な仕組み
相続税を計算するときの手順は以下の通りです:
- 亡くなった人の財産の全てを確認(家・土地・預金・株など)
- 借金や葬儀費用などを差し引く
- 残った金額から「基礎控除」を差し引く
- 控除後の金額が課税対象となる
相続する人がもらう財産の金額に応じて、税率が変わる「累進課税」が使われています。
もらう金額が大きい人ほど税金も高くなる仕組みです。
どんなときに相続税がかかるのか
相続税がかかるのは、亡くなった人の財産の合計が、基礎控除を超えているときです。
基礎控除の計算式:
3,000万円+600万円×法定相続人の数
| 法定相続人の 人数 | 基礎控除額 | 計算例 | 
|---|---|---|
| 1人 | 3,600万円 | 3,000万円+600万円×1 | 
| 2人 | 4,200万円 | 3,000万円+600万円×2 | 
| 3人 | 4,800万円 | 3,000万円+600万円×3 | 
| 4人 | 5,400万円 | 3,000万円+600万円×4 | 
相続税がかかる人・かからない人
相続税がかかる人は、もらった財産の合計が基礎控除より多い場合です。
逆に言えば、相続する財産が基礎控除の範囲内におさまっていれば、
税金はかからず、申告もしなくていいことになります。
日本では、相続税が実際にかかる人は全体の1割ほどとも言われています。
相続税が必要かどうかを知るには、以下を整理することが大切です:
- どれくらいの財産をもらったか
- 借金があるか
- 法定相続人が何人いるか
相続税と贈与税の違い
相続税と贈与税は、どちらも財産をもらったときにかかる税金ですが、
違いは「もらうタイミング」です。
| 項目 | 相続税 | 贈与税 | 
|---|---|---|
| タイミング | 死後に財産を受け取るとき | 生前に財産をもらうとき | 
| 非課税枠 | 基礎控除(3,000万+600万×法定相続人) | 年間110万円まで | 
| 税率 | 10〜55%(累進課税) | 10〜55%(累進) | 
| 特例制度 | 配偶者控除・小規模宅地等の特例など | 相続時精算課税制度など | 

プロが押さえるチェックポイント
一定の条件を満たせば「相続時精算課税制度」といって、贈与を将来の相続としてまとめて計算する制度も使えます。
相続税の対象となる財産
相続税は、亡くなった方の財産を引き継ぐ際に課される税金ですが、
実はすべての財産が対象になるわけではありません。
現金や不動産のように明確に課税対象となるものもあれば、
生命保険の一部や墓地のように非課税とされる財産もあります。
また、名義が本人でなくても相続税の対象になるみなし相続財産と呼ばれるものも存在します。
課税対象になる財産(現金・不動産・有価証券など)
相続税の課税対象となる財産には、
大きく分けて「金銭的な価値を持つもの」が含まれます。
| 財産の種類 | 具体例 | 評価方法の概要 | 
|---|---|---|
| 現金・預貯金 | 普通預金・定期預金 | 残高そのまま | 
| 不動産 | 自宅・賃貸用物件 | 路線価×面積 or 固定資産税評価額等 | 
| 有価証券 | 株式・投資信託など | 相続発生日の終値ベースなど | 
| 自動車 | 自家用車 | 中古車販売価格を基に時価評価 | 
| 貸付金 | 被相続人からの貸付金 | 額面どおり | 
| 美術品・貴金属 | 絵画・宝石・金など | 鑑定評価額 | 
非課税財産(生命保険・墓地など)
一定の条件を満たす財産については、
相続税の課税対象から除外される非課税財産として扱われます。
主な非課税財産:
- 生命保険金の一部(法定相続人1人あたり500万円まで)
- 死亡退職金の一部(法定相続人1人あたり500万円まで)
- 墓地・仏壇・位牌などの祭祀財産
- 宗教用具
- 日常生活に通常必要な家具・衣類
みなし相続財産とは
みなし相続財産とは、
被相続人の死亡によって取得したものの、民法上の相続財産ではないもののうち、
相続税の課税対象とされるものを指します。
代表例:
- 生命保険金(契約者が被相続人の場合)
- 死亡退職金
- 遺言による贈与(遺贈)
これらは被相続人の死亡を原因として支払われるため、
実質的には財産の一部とみなされ、相続税が課されます。
財産の名義と課税対象の関係
相続税では、財産の「名義」だけでなく、
「実質的な所有者」が誰であるかが重要視されます。
注意すべき名義預金の例:
- 子ども名義の預金口座だが、実際に管理していたのは被相続人
- 配偶者名義だが、資金の出所は被相続人
- 孫名義の口座に定期的に振り込んでいた預金
名義だけで判断せず、資金の出所や実際の使用状況などを丁寧に確認する必要があります。
相続人の範囲と割合
相続が発生した際、誰がどの程度の財産を受け取るのかは、
法定相続人の範囲とその法的な割合によって決まります。
法定相続人とは誰のことか
法定相続人とは、民法により相続の権利が認められている人を指します。
相続順位:
- 配偶者:常に相続人
- 第1順位:子(亡くなっている場合は孫)
- 第2順位:直系尊属(親・祖父母)
- 第3順位:兄弟姉妹(亡くなっている場合は甥姪)
相続順位と相続分の基本ルール
| 相続人の組み合わせ | 配偶者の相続分 | その他の相続分 | 
|---|---|---|
| 配偶者と子 | 1/2 | 子:1/2(人数で均等に分割) | 
| 配偶者と親 | 2/3 | 親:1/3 | 
| 配偶者と兄弟姉妹 | 3/4 | 兄弟姉妹:1/4 | 
| 子のみ | - | 全員で均等に分割 | 
相続人が複数いる場合の分け方
相続人が複数いる場合、基本的には法定相続分に従って遺産を分け合いますが、
現実には被相続人の遺言や遺産の内容に応じて「遺産分割協議」を行うことが一般的です。
分割方法の選択肢:
- 現物分割:財産をそのまま分ける
- 換価分割:売却して現金で分ける
- 代償分割:一人が相続し、他の相続人に金銭を支払う
- 共有分割:不動産などを共有名義にする
養子・内縁・認知された子の扱い
| 立場 | 相続権の有無 | 注意点 | 
|---|---|---|
| 養子 | あり(実子と同じ) | 普通養子は実親からも相続可 | 
| 内縁の配偶者 | なし | 遺言による遺贈は可能 | 
| 認知された子 | あり(実子と同じ) | 認知されていることが必要 | 
相続税の基礎控除と課税対象額の出し方
相続税申告が必要かどうかは、
まず基礎控除という制度を理解することから始まります。
相続が発生した際、被相続人(亡くなった方)の財産のうち、
一定額までは相続税がかからない仕組みになっており、
それが基礎控除です。
基礎控除の計算式(3,000万円+600万円×法定相続人)
相続税の基礎控除額は、以下の計算式で求められます。
3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば、被相続人に配偶者と子供2人がいる場合、
法定相続人は3人となり、
基礎控除額は3,000万円+600万円×3=4,800万円です。
この金額以下であれば、相続税申告は原則不要となります。
基礎控除額の例
| 法定相続人の 人数 | 基礎控除額の 計算式 | 控除額 | 
|---|---|---|
| 1人 | 3,000万円+600万円×1 | 3,600万円 | 
| 2人 | 3,000万円+600万円×2 | 4,200万円 | 
| 3人 | 3,000万円+600万円×3 | 4,800万円 | 
| 4人 | 3,000万円+600万円×4 | 5,400万円 | 
控除後に課税される条件とは
基礎控除額を差し引いたあとの財産が課税遺産総額です。
この金額が0円以下であれば、相続税申告は原則として不要です。
逆に、この金額が1円でもプラスであれば、相続税申告義務が発生します。
ただし、実際に税金を支払う必要があるかどうかは、
各種控除や特例(配偶者控除、小規模宅地等の特例など)を適用したうえで判断されます。
また、以下のような財産も課税対象に含まれるため注意が必要です:
- 生命保険金の非課税枠を超える部分
- 退職金の非課税枠を超える部分
- みなし相続財産
- 名義預金
ステップ1
全財産の把握
ステップ2
基礎控除額の計算
ステップ3
課税対象額が出たら申告義務
控除の誤解と注意点
相続税の基礎控除については、
“5,000万円までは非課税”といった誤解が根強くあります。
これは以前の制度の名残で、2015年(平成27年)の税制改正以降、
控除額が大きく引き下げられました。
その他の注意点:
- 控除額は”一人当たり”ではなく”相続全体”に対するもの
- 都市部に不動産を所有している家庭では、基礎控除を超えるケースが増加
- 配偶者控除が適用されても、申告そのものは必要なケースがある
相続税の計算方法
相続税は、遺産の総額や法定相続人の人数によって大きく変わるため、
正確な相続税 計算が非常に重要です。
課税遺産総額の求め方(例付き)
課税遺産総額は、相続税 計算の出発点となる金額です。
計算手順:
- 相続によって得た財産の合計額を算出
- 非課税財産(死亡保険金の非課税枠や墓地・仏具など)を差し引く
- 借金や未払医療費、葬儀費用などを控除
- 相続時精算課税制度を使った贈与があれば加算
計算例:
- 総財産:1億円
- 非課税財産:1,000万円
- 債務と葬儀費用:1,500万円
- 課税遺産総額:7,500万円
相続税率の一覧と累進課税制度
相続税は、取得金額に応じて税率が高くなる「累進課税制度」が採用されています。
相続税 税率は10%〜55%の7段階に分かれており、
課税遺産総額から各人の法定相続分をもとに個別に計算されます。
| 課税取得金額 (各人) | 相続税 税率 | 控除額 | 
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | 0円 | 
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 | 
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 | 
| 1億円以下 | 30% | 700万円 | 
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 | 
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 | 
| 3億円超 | 55% | 4,000万円 | 
相続税早見表の使い方と注意点
相続税 早見表は、課税取得金額ごとの税率と控除額を一覧で確認できる便利なツールです。
使い方:
- 相続人ごとの課税取得額を算出
- 相続税 早見表の該当区分を確認
- 税率を適用して計算
例:取得額が5,000万円なら
- 税率20%、控除額は200万円
- 5,000万円×20%−200万円=800万円が相続税額
実例:5,000万円/1億円/2億円のケース別試算
相続税は、課税遺産総額を法定相続人の人数で按分し、
それぞれに税率を適用して計算します。
計算の前提条件:
- 法定相続人:配偶者と子1人(計2人)
- 基礎控除額:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
| 遺産総額 | 基礎控除後の 課税遺産総額 | 各人の取得額 | 税率 | 控除額 | 相続税総額 (概算) | 
|---|---|---|---|---|---|
| 5,000万円 | 800万円 | 400万円 | 10% | 0円 | 約80万円 | 
| 1億円 | 5,800万円 | 2,900万円 | 15% | 50万円 | 約820万円 | 
| 2億円 | 1億5,800万円 | 7,900万円 | 30% | 700万円 | 約2,960万円 | 
※実際は配偶者控除や特例により、税額はさらに変動します。
相続税の控除・特例制度
相続税には、一定の条件を満たすことで税負担を軽減できる
「控除」や「特例制度」が設けられています。
配偶者や同居親族が相続する場合、
自宅や事業用地の評価が大きく減額されるケースもあります。
配偶者控除の適用条件と計算例
配偶者が相続する財産については、
「1億6,000万円」または「法定相続分の金額」のいずれか多い方まで
相続税がかからない「配偶者控除(配偶者の税額軽減)」が適用されます。
計算例:
- 遺産:1億8,000万円
- 法定相続人:配偶者と子1人
- 配偶者が1億6,000万円を相続すれば非課税
注意点:
税額軽減を受けるには相続税申告書を提出し、適用要件を満たすことが必要です。
小規模宅地等の特例の対象と使い方
「小規模宅地等の特例」は、
自宅や事業用の土地について相続税評価額を最大80%まで減額できる制度です。
適用例:
- 1億円の自宅土地 → 2,000万円の評価に
対象となる人:
- 配偶者
- 同居していた親族
- 相続後も居住や事業を継続する人
未成年者控除・障害者控除とは?
未成年者控除と障害者控除は、
相続人の将来の生活保障を目的とした税額控除です。
| 控除の 種類 | 対象となる人 | 計算式 | 具体例 | 控除額 | 
|---|---|---|---|---|
| 未成年者控除 | 20歳未満の相続人 | (20歳 − 年齢) × 10万円 | 15歳の場合 | 50万円 | 
| 障害者控除 | 障害者(85歳未満) | (85歳 − 年齢) × 10万円 | 70歳の障害者 | 150万円 | 
| 特別障害者控除 | 特別障害者(85歳未満) | (85歳 − 年齢) × 20万円 | 60歳の特別障害者 | 500万円 | 
その他の控除(相次相続、贈与税額控除など)
その他の主な控除制度:
- 相次相続控除:10年以内に2回以上の相続が発生した場合に適用
- 贈与税額控除:生前贈与を受けた相続人が、支払済みの贈与税を相続税から差し引ける
これらにより二重課税を防ぎます。
いずれも計算が複雑で適用要件も細かいため、
早めに税理士と相談し、適用可能かの確認が重要です。
相続税の申告と納付の流れ
相続税は「誰が」「いつまでに」「どうやって」申告・納付するかが明確に定められています。
基礎控除を超える場合には、10ヶ月以内の申告が必要であり、
提出書類も多く専門的です。
申告が必要なケースとは
相続税申告が必要かは「課税遺産総額」が「基礎控除額」を超えるかで判断します。
基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数
例)相続人2人 → 4,200万円
課税対象に含まれるもの:
- 現金・不動産・有価証券
- 名義預金
- 死亡保険金・退職金(非課税枠超の部分)
必要書類一覧(戸籍謄本・遺産目録など)
相続税申告には、以下の書類が必要です:
- 戸籍謄本(出生〜死亡)
- 相続人の住民票・印鑑証明
- 遺産目録
- 不動産の登記簿謄本・評価証明書
- 預金残高証明書・通帳コピー
- 生命保険金支払証明書
書類取得には時間がかかることも多いため、
チェックリストを作成して早めに準備を始めることが重要です。
申告期限と納付期限の厳守ポイント
相続税申告と納付の期限は
「死亡日の翌日から10ヶ月以内」です。
例)死亡日:2025年1月1日 → 申告・納付期限:2025年11月1日
期限を過ぎると以下のペナルティがあります:
- 加算税(10〜20%)
- 延滞税(年率2.4%前後)
延納・物納の条件と手続き
相続税は原則として現金で一括納付ですが、
納税資金が不足している場合には「延納」や「物納」の制度が利用できます。
| 項目 | 延納 | 物納 | 
|---|---|---|
| 条件 | 10万円超・困難な事情あり | 延納不可・不動産等の提出可能 | 
| 期間 | 最長20年(利子税あり) | 一括納付・審査あり | 
| 手続き | 申告と同時に申請+担保提出 | 物件明細提出・税務署の許可必要 | 
税務調査と追徴課税のリスク
相続税申告後、税務署は内容を精査し、
不備や不自然な取引が見つかると税務調査に進む可能性があります。
税務調査が入りやすいケース
税務署は、以下のようなケースで調査対象を選定しています:
- 現金・預貯金が多く名義預金が複雑
- 過去に生前贈与歴があるが記録が曖昧
- 評価が不自然な不動産がある
- 遺産分割協議が成立していない
- 相続人の1人が申告していない
調査時にチェックされるポイント
税務調査で税務署が確認する主なポイント:
| チェック項目 | 内容例 | 
|---|---|
| 名義財産 | 子や配偶者名義の預金・保険など(名義預金) | 
| 不動産評価 | 実勢価格との差が極端な場合 | 
| 生前贈与の有無 | 契約書がない、証拠が曖昧な贈与 | 
| 財産の使途 | 大きな現金引き出しの理由が不明確 | 
申告漏れによるペナルティ(加算税・延滞税)
申告漏れが発覚した場合のペナルティ:
| 税種 | 内容・割合 | 
|---|---|
| 過少申告加算税 | 原則10%(悪質なら15%) | 
| 無申告加算税 | 原則15%(重加算なら20%) | 
| 延滞税 | 年率7.3%(2025年現在は約2.4%に軽減) | 
修正申告・更正の請求のタイミング
申告後に誤りに気付いた場合の対応:
修正申告
- 自主的に訂正
- 加算税が軽減される可能性あり
- 期限なし
更正の請求
- 税務署の処分に異議を申し立てる
- 申告期限から5年以内
相続税の節税対策と生前対策
相続税は事前の対策により、数百万円以上の節税対策が可能です。
中でも「生前贈与」「不動産評価の圧縮」「家族信託」「養子縁組」などは、
合法的な節税対策として注目されています。
生前贈与の活用(暦年贈与・相続時精算課税)
生前贈与は最も活用されている節税対策です。
暦年贈与
年間110万円以内の贈与は非課税
相続時精算課税制度
2,500万円まで贈与税がかからず、相続時に精算
注意点:
相続時精算課税制度は一度選ぶと変更できず、
全贈与が課税対象になるため注意が必要です。
不動産活用による評価額の圧縮
相続財産に不動産が含まれる場合、
評価方法によって課税額を大幅に下げることが可能です。
評価額を下げる方法:
- 賃貸中の建物や土地は「貸家建付地」として評価減
- 居住用宅地は「小規模宅地等の特例」で最大80%減額
家族信託・養子縁組による節税戦略
家族信託は、認知症による財産凍結を防ぎつつ、
将来の相続にも備えられる仕組みです。
養子縁組は法定相続人の数を増やすことで
基礎控除額を拡大できるため、相続税の節税対策に有効です。
例)実子2人+養子1人 → 基礎控除額:3,000万+600万×3=4,800万円
事前に専門家に相談すべきタイミング
節税対策は早ければ早いほど選択肢が広がります。
✔ 相続財産に不動産や非上場株式がある
✔ 生前贈与を検討している
✔ 家族関係が複雑(再婚・内縁・疎遠な相続人)
✔ 認知症リスクがある
✔ 資金に余裕がない
上記に該当する方は、相続税に強い税理士へ早期に相談すべきです。
よくある質問と誤解
相続税に関する情報は複雑で、
ネットや親族から聞いた情報が必ずしも正確とは限りません。
相続税は「いくらから」かかる?
相続税 いくらからかかるかは「基礎控除額」を超えるかで決まります。
計算式は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
例)相続人が2人 → 3,000万円+600万円×2=4,200万円
相続財産がこれを超えた場合に相続税申告・納付が必要になります。
相続税と贈与税はどちらが得?
一概に「どちらが得」とは言えません。
- 生前に毎年110万円以下を贈与する場合は「暦年贈与」が有利
- 高額な贈与は、相続税よりも贈与税の税率が高く不利になることも
- 相続直前の贈与は「持ち戻し」され、相続税の対象に
- 相続時精算課税制度の活用で贈与と相続を一体管理することも可能
税理士に依頼するメリット・費用感
相続税に強い税理士へ依頼することのメリット:
- 財産評価や控除適用の最適化
- 節税対策効果の最大化
- 税務署対応の代行
- 書類収集のサポート
費用相場:
相続財産5,000万円〜1億円規模で「20〜50万円」が相場です。
「遺言書があれば税金が安くなる」は本当?
遺言書があることで「税額そのもの」が直接安くなるわけではありません。
ただし、遺産分割協議が円滑に進み、
配偶者控除や小規模宅地等の特例など、
各種の節税対策制度を正しく適用しやすくなります。
まとめ・お問い合わせ
ここまで相続税申告・対策に関する基本情報を解説してきました。
相続は突然訪れ、準備不足や誤解によって、
不要な納税やトラブルに発展することも少なくありません。
大切なのは「今できる準備を確実に進めること」です。
今すぐ行うべき3つの準備とは?
相続に備えて、すぐに始められる準備は以下の3つです:
財産目録の作成
不動産、預貯金、有価証券などを一覧化
相続人の確認
戸籍で法定相続人を洗い出す
過去の贈与履歴の整理
非課税枠を正しく活用する準備
相続税対策に強い税理士を選ぶポイント
税理士選びで重要なのは「相続税申告の実績」と「説明のわかりやすさ」です。
✔ 過去の相続税申告件数が豊富か
✔ 節税対策提案や二次相続対策まで対応できるか
✔ 報酬体系が明確か(成功報酬・定額制など)
✔ 初回相談が無料かどうか
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